社会福祉充実残額

社会福祉充実残高の算定ルールの留意点チェックリスト

計算式

社会福祉充実残額=①「活用可能な財産」-

 { ②「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」

   +③「再取得に必要な財産」

     +④「必要な運転資金」 }

*{②+③+④}が、控除対象財産。

□ 事業継続に最低限必要な財産として、法人が現に社会福祉事業や公益事業、収益事業(以下、「社会福祉事業等」)に活用している不動産等や、建替・設備更新の際に必要となる自己資金、運転資金に限定する。

□ 計算過程において1円未満の端数が生じる場合は、切り捨て。

□ 最終的な計算結果において1万円未満の端数が生じる場合は、切り捨て。

①「活用可能な財産」算定上の留意点

□ 法人単位の貸借対照表(1号の3様式)から作成する。

□ この計算結果がゼロ以下となる場合、社会福祉充実残額は生じないので、以降の計算は不要。

②「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」の留意点

□ 法人が行う社会福祉事業等 の実施に直ちに影響を及ぼさない財産については、控除対象とならない。

□ 財産目録により、勘定科目ごとに控除対象を判定。

□ ○○積立資産は控除対象外。但し、工賃変動積立資産は控除対象。

□ 基本財産の定期預金、投資有価証券は、「社会福祉法人の認可について」に基づき必要とされる額の範囲内で、控除対象となる。

□ 現に社会福祉事業等に活用していない土地・建物については、原則、控除対象とならない。

□ しかし、28年度分の社会福祉充実残額を算定するに当たって、29年度中に具体的な活用方策が明らかな場合(29年度中に建設に着工し、30年度以降に事業開始する場合も含む。)は、控除対象となる。

□ 寄附者等から使途・目的が明確に特定されている寄附等の拠出を受け、設置された積立資産は、控除対象となる。

□ 損害保険金又は賠償金を受け、これを原資として、建物等の現状復旧を行う財産は、この保険金又は賠償金の範囲内で、控除対象となる。

□ 対応基本金は、基本金明細書(別紙3⑥)に記載される、第一号基本金と第二号基本金の当期末残高の合計額とする。

□ 対応負債は、1年以内返済予定設備資金借入金、1年以内返済予定リース債務、設備資金借入金、リース債務の合計額とする。

□ 対応基本金、国庫補助金等特別積立金、対応負債を差し引いた結果が、ゼロ未満となる場合、「社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等」の額は、ゼロとする。

③「再取得に必要な財産」算定の留意点

独立した建物単位で算定し、これらを法人全体で合算する。

□ 減価償却累計額も建物単位で算定する。

≪以下私見≫
増築・改築の場合

  • 面積は、定款、現況報告書による。
  • 建築コストは固定資産台帳の合計による。
  • 建物の単位・・・基礎、壁、屋根が一体
  • 減価償却累計額は、本体部分と増築部分の合計額

□ 建設単価等上昇率は、ⓐ ⓑのいずれか高い割合とする。
 ⓐ建設工事費デフレーターによる上昇率
 ⓑ25万 ÷当該建物の建設時における1㎡当たりの建設単価
 (建物建設時の取得価額÷建設時の延床面積、小数点4位を四捨五入

≪以下私見≫
増築の場合、本体部分と増築部分の平均単価を出す。
(総コスト÷総面積)
築年は、本体部分の基礎が出来た工事
減価償却累計額は本体部分と増築部分の合計

□ 一般的な自己資金比率は、ⓐ ⓑの大きい方とできる。
 ⓑの計算が不明な場合はⓐ
 ⓐ一般的な自己資金比率 22%
 ⓑ建設に係る自己資金÷建物取得価額(小数点以下4位を四捨五入

□ 大規模修繕に必要な費用の算定
 「独立した建物ごとの減価償却累計額×30%-過去の大規模修繕費」ⓐを、
 法人全体で合計した額(計算結果がゼロ未満となる場合は、ゼロとする。)

□ 過去の大規模修繕費が不明な場合、ⓐを下記の額とする。
 建物に係る減価償却累計額×30%
  ×建物に係る貸借対照表価額A
  A+建物に係る減価償却累計額

□ 大規模修繕とは・・・厚労省28年10月21日
     第5回社会福祉法人の財務規律検討会、参考資料2
     「Ⅲ.大規模修繕等の工事に関する参考資料」

□ 過去の大規模修繕は、総勘定元帳からチェックが必要。

≪私見≫
大規模修繕を資産計上していた場合は、費用計上されていないので、上記ⓐの計算では控除の必要はない。

□ 設備・車輌等の更新に必要な費用
  財産目録において特定した建物以外の固定資産に係る、減価償却累計額の合計額とする。

≪私見≫

  • 賃貸建物の内装工事は対象となる。
  • 建物附属設備の取扱い。
    勘定科目説明では、建物附属設備は建物勘定に含まれている。
    従って、その建物附属設備が、特定した建物に含まれない建物附属設備ならば、ここにいう「設備」と考えてよいと思われる。

④必要運転資金

□ 年間事業活動支出の3か月分
  算式:事業活動支出計×3/12月

⑤控除対象財産の特例

□ 主として施設・事業所の経営を目的としていない法人等で、現に社会福祉事業等の用に供している土地・建物を所有していない、又は当該土地・建物の価額が著しく低い場合、控除対象財産は、③④に替えて、年間事業活動支出全額を控除できる(②も控除できる)。
「著しく低い」とは・・・③+④<事業活動支出計

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